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2026年に本当に手形はなくなるのか?

1.手形の交換枚数、交換高の推移

手形交換高は1990年(4,797兆2,906億円)、手形交換枚数は1979年(4億3,486万枚)それぞれがピークでした。


過去5年は継続して減少しております。
2022年はピーク時に比べ、金額は2.2%(97.8%減)(2022年は105兆3,174億円)、枚 数 は7.5%(92.5%減)(2022年3,266万枚)まで減少していますが、業種によっては一定の規模で推移しています。
2016年~2017年の手形交換高が増加しているのは、大阪での手形交換高が急増したことが原因です。
大阪手形交換所で交換された手形の枚数には大きな変化がなく、以前よりも額面金額の高い手形が振り出されたことが推察されます。


※手形交換枚数・交換高は、一般社団法人全国銀行協会が公開している年月別の統計資料を基に集計しました。

 

2.でんさいの発生件数、発生金額について

2013年2月にスタートした全国銀行協会の電子記録債権(以下、でんさい)のでんさい額は2020年22兆1,162億円、2021年27兆2,182億円、2022年33兆8,756億円と増加傾向にあり、2022年の手形交換高の67.8%となっています。
2026年の手形廃止という追い風もあるので、増加の傾向は顕著に推移するものと推察します。

 

 

 


※でんさい発生件数・発生金額は株式会社全銀電子債権ネットワークが公開している年月別の統計資料を基に集計しました。

 

3.手形はなくなるのか?

2023年9月20日の日本経済新聞によると
『三菱UFJ銀行とみずほ銀行は2024年1月から新規の当座預金口座の開設者を対象に、紙の約束手形・小切手の発行を停止する。27年4月以降を期日や振出日とする手形や小切手の受け付けも止める。
全国銀行協会は政府方針に基づき26年度までの全廃を目指しており、取引先の企業に対して電子決済への移行を促す。』
との記載がありました。

出典 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB197AS0Z10C23A9000000/

(日本経済新聞該当ページ 全文を見るには日本経済新聞への会員登録が必要です。)

 

2023年11月13日のふくおかフィナンシャルグループのニュースリリース『手形・小切手の全面電子化に向けた取り組みならびに手数料の改定・新設について』では、
(1)手形・小切手帳発行手数料の改定
(2)当座預金の新規開設の停止 [適用開始日:2024年2月1日(木)]
(3)期日が2027年4月以降の手形小切手の取立受付の停止 [適用開始日:2024年2月1日(木)]

※FFGが提供するデジタルサービスについて[手形をご利用のお客さま]
• 手形に代わる決済手段として、『でんさい』の利用を推奨しております。でんさいとはでんさいネットが取り扱う電子記録債権を指し、電子的に金銭債権のやり取りを行うことができます。

との記載がありました。
出典 https://www.fukuoka-fg.com/news_info_pdf/2023/20231113_release2.pdf

 

 

このようにメガバンクに追随し地方銀行からも2027年4月以降を期日とする手形や小切手の受け付けも止めるニュースリリースが出ております。
電子交換所(一般社団法人全国銀行協会が設置、運営している手形交換所:2022年11月スタート)が2027年4月以降を期日とする手形の受付をしなければ、手形は2024年3月31日をもって手形はなくなるでしょう。

(2023年11月30日 文責:ユニオンソフト株式会社 濱田利夫)